
死亡保険金の受取人と、入院・手術給付金の受取人は分けて確認します。医療保険の入院・手術給付金は、受取人や被保険者の死亡後の請求方法が契約によって異なります。給付金の相談は保険金・給付金の請求を確認し、保険会社へ直接問い合わせてください。
受取人が先に亡くなったことが分かったら、契約の状況に応じて「変更」と「請求」を分けて考えます。
被保険者が存命
受取人変更を確認する
- 保険証券で契約者・被保険者・受取人を確認
- 契約者から保険会社へ連絡
- 被保険者の同意と必要書類を確認
- 変更完了後の契約内容を保管
被保険者も死亡
変更ではなく請求手順を確認する
- 契約先へ死亡を連絡
- 約款上の受取人を確認
- 受取人の法定相続人と請求代表者を確認
- 戸籍など指定された書類をそろえる
受取人変更は被保険者の死亡後にはできません。実際の受取人や必要書類は、契約の約款と保険会社の案内で確認してください。
受取人が先に亡くなると、契約はどうなるか
保険金受取人が先に亡くなっても、生命保険契約そのものがすぐに無効になるとは限りません。ただし、受取人を変更しないままにしておくと、死亡保険金を請求するときに誰が受け取るのか、どの書類が必要か、税金はどう扱うのかを確認する負担が大きくなります。
被保険者が存命で、契約者が手続きできる状態であれば、早めに保険会社へ連絡して受取人変更の可否と必要書類を確認しましょう。契約者と被保険者が異なる契約では、被保険者の同意などが必要になる場合があります。
均等割と法定相続分では受取額が変わる
受取人が複数になった場合の割合は、約款で確認します。生命保険文化センターの相談対応マニュアル第8章・133ページ(PDF)は、均等にする約款と法定相続割合にする約款の両方を案内しています。「法定相続人が受取人」という説明だけで、人数割りか法定相続分かを決めないでください。
例:被保険者A、指定受取人はAの妹B
Bが先に亡くなり、受取人を変更しないままAも亡くなったとします。Bの法定相続人が配偶者Cと子D・Eの3人だけで、3人ともAの死亡時に生存し、約款上この3人が受取人となる条件を前提にします。死亡保険金は1,200万円、以下は税金・費用を差し引く前の金額です。
| 約款の条件 | 配偶者C | 子D | 子E |
|---|---|---|---|
| 均等割と定める場合 | 3分の1:400万円 | 3分の1:400万円 | 3分の1:400万円 |
| 法定相続分に従う場合 | 2分の1:600万円 | 4分の1:300万円 | 4分の1:300万円 |
均等割は1,200万円÷3人で各400万円です。配偶者と子が相続人になる場合の法定相続分は、民法第900条で配偶者が2分の1、子全員で2分の1とされ、子2人なら各4分の1になります。
第一フロンティア生命の受取人が先に亡くなった場合のFAQは、複数なら均等割と案内しています。これは同社の案内で、自分の契約にも同じ割合が適用されるとは限りません。C・D・Eの誰かがAより先に亡くなっている場合や、受取人の範囲に別の定めがある場合は、確認する人と割合も変わり得ます。
状況別に確認すること
| 状況 | 確認すること | 注意点 |
|---|---|---|
| 被保険者が存命 | 契約者が受取人変更できるか、被保険者の同意や必要書類を保険会社に確認します。 | 家族構成が変わっている場合は、死亡保障の目的と受取人をセットで見直します。 |
| 被保険者も亡くなった後 | 亡くなった受取人の死亡時の法定相続人、約款上の扱い、請求代表者と必要書類を保険会社に確認します。 | 受取人変更は支払事由の発生後にはできません。「被保険者の遺族」とする約款もあります。 |
| 受取人が複数いる | 亡くなった受取人に代わる人、他の受取人の扱い、契約上の受取割合を確認します。 | 均等割と法定相続割合のどちらを用いるか、約款の条項を確認します。 |
| 受取人が未成年・認知症などで請求が難しい | 親権者、後見人、代理人、請求代表者の手続きが必要かを確認します。 | 家庭裁判所や専門家の関与が必要になる場合があります。 |
被保険者が存命なら、早めに受取人変更を確認する
契約者が保険会社へ連絡する際は、証券番号、亡くなった受取人の氏名と死亡日、契約者・被保険者の関係、新たに指定したい人を伝えられるようにします。受取人変更には原則として被保険者の同意が必要です。契約者本人が手続きできない場合も、代理手続きの可否を契約先に確認してください。
変更が完了したら、受取人と受取割合が反映された通知を確認し、保険証券と一緒に保管します。死亡保障額も見直す場合は、遺族年金などの公的保障と必要保障額を別に確認しましょう。
すでに被保険者が亡くなっている場合
受取人となる人を確定した後、その人たちの受取割合を約款で確認します。人数で等分する契約と、法定相続割合に従う契約を区別してください。また、最初に受取人となった人が保険金の支払事由より前に亡くなった場合は、その人の法定相続人へ受取人が移るのが一般的です。
ただし、約款の定めや死亡した順序、受取人となる人がその後に亡くなっているか、受取割合が指定されているかによって確認範囲が変わります。家族だけで「誰が受け取る」と決めて先に分配せず、保険会社に請求手順を確認してください。戸籍謄本、死亡診断書、保険証券、本人確認書類、代表者選任に関する書類などは、請求内容と保険会社によって異なります。
請求代表者を決めても、受取割合が変わるわけではない
受取人が複数いる場合、代表者を選任して請求する取扱いがあります。代表者の選任と、誰がどの割合で保険金を受け取るかは別の確認です。代表者1人の取り分になると考えず、各受取人、受取割合、他の人の同意や署名、振込方法を契約先へ確認してください。
- 亡くなった受取人と被保険者の死亡日を、順序が分かる形で伝える
- 受取人の範囲と割合を決める約款の条項を、契約日・商品名とともに確認する
- 誰の、どの期間の戸籍が必要かを聞いてから取り寄せる
- 代表者選任届、他の受取人の同意・署名、本人確認書類の要否と提出先を確認する
保険金は受取人固有の財産として扱われるのが一般的
指定された死亡保険金受取人が取得する保険金は、一般に被保険者の遺産そのものではなく、受取人が保険契約に基づいて取得する固有の財産と考えられます。そのため、遺産分割協議だけで受取人や受取割合を変更できるとは限りません。相続放棄をした人の受取可否なども含め、個別の扱いは保険会社、弁護士、税理士などへ確認してください。
死亡保険金と税金の注意点
国税庁の通達では、亡くなった受取人が契約者でも保険料負担者でもなく、まだ保険事故が起きていない契約については、受取人が亡くなった時点では課税関係は生じないとしています。後に保険金が支払われるときの税金とは分けて考えます。
死亡保険金の税金は、契約者、保険料負担者、被保険者、受取人の関係で変わります。国税庁は、被相続人が保険料を負担していた死亡保険金について、相続等により取得したものとみなされ、相続税の課税対象になると説明しています。
死亡保険金の受取人が相続人である場合、一定の非課税限度額が使えることがあります。一方、相続人以外が取得する場合や、受取人が先に亡くなっている場合の実際の扱いは、保険料負担者と最終的に受け取る人によって判断が必要です。
保険会社から受け取った人が、話し合いで別の家族へ保険金を渡すと、受取人からその家族への贈与と判断される場合があります。受取前に契約関係を整理し、税務署や税理士、保険会社へ確認してください。
相続トラブルを避けるには、受取人を定期的に確認することが重要です。
結婚、離婚、出産、親の死亡、子どもの独立、相続対策の見直しなどがあったときは、死亡保障の金額だけでなく、受取人と受取割合も確認しましょう。古いままの受取人指定は、請求時の混乱につながることがあります。
保険会社へ連絡する前の確認
- 保険証券で契約者、被保険者、受取人と受取割合を確認した
- 受取人と被保険者の死亡日を整理した
- 約款に、受取人が先に亡くなった場合の定めがあるか確認した
- 被保険者が存命なら変更、亡くなっているなら請求の手続きを質問する
- 保険料負担者と実際に受け取る人を確認し、税金も別に調べる
公式情報で確認したいこと
情報確認日:2026年10月21日。国税庁No.4114は2026年4月1日現在の法令等。受取人・割合は契約の約款、税金は保険料負担者と受取人の関係で確認します。
- 生命保険文化センター「相談対応マニュアル第8章」133ページ(PDF):受取人先死亡の範囲、均等割・法定相続割合の約款差、代表者請求を確認できます。
- 生命保険文化センター「受取人が先に死亡していた場合」:受取人の範囲と、支払事由が起きた後は変更できない点を確認できます。
- 第一フロンティア生命「受取人が先に亡くなった場合」:同社が複数の受取人について均等割とする公式案内です。
- e-Gov法令検索「保険法」:第43・45・46条で受取人変更、被保険者の同意、受取人先死亡の規定を確認できます。
- e-Gov法令検索「民法」:第900条で配偶者・子などの法定相続分を確認できます。
- 国税庁「相続税の課税対象になる死亡保険金」:保険料負担者、受取人と非課税限度額の条件を確認できます。
- 国税庁「保険金受取人が死亡した場合の課税関係」:通達3-34で、支払事由前かつ受取人が契約者・負担者でない場合を確認できます。
- 金融庁「保険を契約している方へ」:契約手引や契約者向け公的情報への入口です。
- 金融庁「公的保険ポータル」:遺族年金など、公的保障で賄える範囲を調べられます。