必要保障額とは
必要保障額とは、被保険者が亡くなったあと、家族の生活を守るために死亡保険で補う金額のことです。全員に共通する正解はなく、家族構成、子どもの年齢、住宅ローン、配偶者の収入、貯蓄、公的年金の加入状況によって変わります。
生命保険文化センターの算出例も、遺族の支出見込みから公的保障・就労収入・資産などを差し引く考え方です。このページの数字は特定の世帯の目安ではなく、自分の条件を入れるための例です。
先に確認する公的保障
死亡保障を考えるときは、まず遺族年金などの公的保障を確認します。公的年金の加入状況や保険料納付状況、亡くなった人の働き方、遺族の年齢や子どもの有無によって受けられる給付は変わります。
遺族年金の見込みを確認したい場合は、日本年金機構の遺族年金ページで受給要件と計算方法を確認し、個別の加入記録を踏まえた内容は年金事務所などへ相談してください。厚生労働省の公的年金シミュレーターは、遺族年金を試算対象としていません。
注意:遺族年金の受給要件や金額は制度改正で変わることがあります。必要保障額を計算するときは、日本年金機構や厚生労働省などの公式情報を確認してください。
必要保障額の計算手順
- 遺族の生活費を見積もる。
毎月の生活費、住居費、教育費、車、通信費、保険料などを分けて書き出します。亡くなったあとに減る支出と、残る支出を分けます。 - 必要な期間を決める。
子どもが独立するまで、配偶者が年金を受け取るまで、住宅ローンが終わるまでなど、保障が必要な期間を分けて考えます。 - 公的保障・勤務先制度・貯蓄を差し引く。
遺族年金、死亡退職金、弔慰金、団体保険、住宅ローンの団体信用生命保険、預貯金、投資資産などを確認します。 - 不足分だけを死亡保険で補う。
不足額が大きい時期だけ定期保険や収入保障保険で備え、子どもの独立や住宅ローン完済後は保障を減らす考え方もあります。
子どもが8歳で、賃貸住宅に住む家族を想定します。毎月の生活費には、下で別途見積もる教育費600万円を含めません。金額は説明のための仮置きであり、遺族年金の受給額や必要な保険金額の目安ではありません。
- 毎月の不足日常の生活費25万円 − 配偶者の手取り10万円 − 遺族年金の仮置き8万円 = 7万円
- 15年間と一時支出7万円 × 12か月 × 15年 + 教育費600万円 + 当面の予備費100万円 = 1,960万円
- 用意できるお金を差し引く1,960万円 − 預貯金500万円 − 勤務先の死亡退職金200万円 = 1,260万円
この例は15年間同じ収入・支出と仮定した簡略計算です。実際には遺族年金の受給要件・期間、配偶者の働き方、子どもの独立時期で区切って計算します。団信がある場合は住宅ローンの返済がどう変わるかも別に確認し、団信を現金収入として足さないでください。
自分の数字に置き換えるときは、月額を一つにまとめず、生活設計法で時期ごとの不足を確認します。遺族年金の受給可否と見込額は日本年金機構や年金事務所で確認してください。
子どもの独立前後で家計が変わる場合は、前半・後半の不足を分け、貯蓄を一度だけ引く10年間の計算例も確認してください。年金や働き方の変更時期を、家族の予定に合わせて整理できます。
必要なお金と差し引けるお金
| 分類 | 確認する項目 | 考え方 |
|---|---|---|
| 遺族に必要なお金 | 生活費、住居費、教育費、葬儀費用、当面の予備費 | 毎月必要な支出と、一時的に必要な支出を分けて見積もります。 |
| 公的保障 | 遺族基礎年金、遺族厚生年金。仕事中・通勤中の事故などは労災保険も確認 | 受給要件や期間は家族構成、加入・納付状況、死亡原因などで変わります。 |
| 勤務先制度 | 死亡退職金、弔慰金、団体保険、福利厚生 | 支給条件と金額を勤務先の規程で確認します。 |
| 住まいの保障 | 団体信用生命保険、賃貸の住居費、住宅ローン残高 | 団信は現金収入ではありません。返済がなくなる条件を確認し、死亡後の住居費に反映します。 |
| 収入・資産 | 預貯金、投資資産、配偶者の就労収入 | 使える時期と金額を分けます。変動する収入や親族からの援助を確実な収入として見込まないようにします。 |
家族構成別の考え方
独身で扶養家族がいない人
大きな死亡保障は必要性が低いことがあります。葬儀費用、借入金、親への仕送りなど、残したい責任があるかを確認します。
夫婦のみの世帯
配偶者の収入、住まい、貯蓄、公的年金を確認します。共働きか片働きかで必要保障額は大きく変わります。
子育て世帯
教育費と生活費が大きな判断材料です。子どもが独立するまでの不足分を中心に、保障期間を区切って考えます。
自営業・フリーランス
会社員より勤務先制度が少ないため、事業資金、家族の生活費、国民年金加入状況を分けて確認します。
保険金額を決めるときの注意点
大きすぎる保障
不必要に大きな死亡保障は、保険料負担を重くします。家計を圧迫して貯蓄や教育費に回せなくなる場合があります。
少なすぎる保障
公的保障や貯蓄を楽観的に見積もると、遺族の生活費や教育費が不足する可能性があります。
受取人と税金
死亡保険金の税金は、実際の保険料負担者、被保険者、受取人の組み合わせで変わります。契約者の名義だけで判断せず、死亡保険金と税金で確認してください。
見直すタイミング
結婚、出産、住宅購入、転職、独立、離婚、子どもの独立、退職などで必要保障額は変わります。
計算前チェックリスト
- 毎月の生活費と、死亡後に減る支出を分けた
- 子どもの教育費と、必要な時期を確認した
- 遺族年金や労災など、公的保障の確認先を把握した
- 勤務先の死亡退職金、弔慰金、団体保険を確認した
- 住宅ローンの団体信用生命保険の有無を確認した
- 預貯金、投資資産、配偶者の収入見込みを整理した
- 今の死亡保険金額、保険期間、更新時期、保険料を確認した
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死亡保険の金額を一人で決めにくいとき
必要保障額は、生活費・教育費・遺族年金・勤務先制度・貯蓄を一つずつ整理して考える必要があります。
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- 向いている人
- 死亡保険金額を見直したい人、子育て・住宅購入・独立などで必要保障額が変わった人、加入中の保険証券を理解したい人。
- 注意したい人
- すでに必要保障額を自分で計算できている人、特定の商品だけを比較したい人、AIだけで契約判断まで完結したい人。
無料相談は公的な中立相談ではなく、提携FP・保険代理店等につながる可能性がある民間サービスです。遺族年金や税金、契約内容は公式情報や保険会社にも確認してください。
公式情報で確認したいページ
次にやること
公的保険と民間保険
死亡保険を考える前提として、公的保障と民間保険の役割を確認します。
生活設計法
家族の生活費を積み上げて必要保障額を考える方法です。
保険料と保険金のバランス
保障額だけでなく、保険料負担とのバランスを確認します。
死亡保険金と税金
受取人や契約形態によって変わる税金の基本を確認します。