戻るお金と、失う保障を同時に見る

終身保険の解約返戻金とは

終身保険の解約返戻金は、契約を途中で解約したときに戻る可能性があるお金です。ただし、解約すると死亡保障はなくなり、税金や再加入時の告知、特約の消滅も関係します。金額だけで判断せず、払済保険、減額、契約者貸付なども比較しましょう。

解約返戻金とは

解約返戻金は、生命保険契約を途中で解約したとき、契約内容や経過年数に応じて戻る可能性があるお金です。終身保険では、将来の死亡保険金支払いに備えるために保険料の一部が積み立てられるため、一定期間が経過すると解約返戻金が発生する商品があります。

ただし、すべての終身保険で十分な金額が戻るわけではありません。早期解約、低解約返戻型、外貨建て、変額タイプでは、払込保険料を大きく下回ることがあります。

解約前に並べて確認する4つのこと
  1. 受け取る額指定日時点の解約返戻金と貸付残高を契約先に確認
  2. 失う保障死亡保障・特約と、解約後に必要な額を確認
  3. 残す方法払済・減額後の保障と保険料を解約と比較
  4. 手取りと再加入税金、告知、加入できる条件を確認

返戻率だけでは結論は出ません。金額と保障を同じ時点で比べてください。

解約返戻金が発生するしくみ

終身保険は一生涯の死亡保障を持つため、将来の保険金支払いに備えて保険会社が責任準備金を積み立てます。解約返戻金はこの仕組みと関係しますが、責任準備金がそのまますべて返ってくるという意味ではありません。

金額は予定利率、契約年齢、保険料払込期間、経過年数、解約控除、商品タイプなどで変わります。責任準備金と解約返戻金の違い、予定利率との関係を分けて確認してください。

返戻率だけでは判断できない

返戻率は、支払った保険料に対して解約返戻金がどの程度戻るかを見る目安です。しかし、返戻率だけでは、解約後に失う死亡保障、税金、再加入時の告知、家族に必要な保障までは分かりません。

また、外貨建て保険では円換算額が為替で変わり、変額保険では市場リスクにより解約返戻金が変動します。返戻率の見方は返戻率のページでも整理しています。

解約後の死亡保障を公的保障から確認する

家族の生活保障を目的とする終身保険を解約する場合は、先に遺族年金、勤務先の死亡退職金、預貯金、住宅ローンの団体信用生命保険などを確認します。公的保障や手元資金で補えない期間・金額が、解約後も必要な民間保障です。

葬儀費用や相続対策など別の目的で加入している場合も、解約でその目的を果たせなくならないか確認します。制度は変わるため、遺族年金などの最新情報は金融庁 公的保険ポータルや日本年金機構で確認してください。

解約前に比較したい選択肢

保険料が重い、まとまったお金が必要、保障を減らしたいという理由でも、解約だけが選択肢とは限りません。契約内容によっては、次の方法を比較できる場合があります。

解約以外の見直し方法
方法概要注意点
払済保険以後の保険料を払わず、解約返戻金をもとに保障を小さくして残す特約が消える、保障額が下がる場合がある
減額保険金額を小さくして保険料負担を下げる死亡保障が減る。解約返戻金が一部発生する場合がある
特約整理医療特約や定期保険特約などを外す主契約と特約の保障期間を分けて確認する
契約者貸付解約返戻金の範囲内で保険会社から借りる利息がかかり、元利金が増える。返済しないと保険金や返戻金から差し引かれ、契約の効力に影響する場合がある
契約転換現在の契約をもとに別契約へ切り替える予定利率、保障内容、保険料、解約返戻金が変わるため慎重に確認する

解約は一度進めると元に戻せない場合があります。

解約後に同じ保障へ入り直すには、年齢や健康状態による告知が必要です。保険料が上がる、条件が付く、加入できない場合もあります。解約前に、保険会社へ解約返戻金の試算と代替策を確認してください。

税金で確認したいこと

解約返戻金を受け取ると、実際に保険料を負担した人と返戻金を受け取る人の関係により、所得税または贈与税が関係します。受取額と払込保険料、契約者変更の履歴を確認し、国税庁の課税関係を参照してください。

一時払保険、法人契約、途中の減額や名義変更がある場合は、税務署や税理士に個別の扱いを確認してください。

外貨建て・変額タイプの注意点

  • 外貨建て:外貨ベースの返戻金が増えていても、円換算額は為替レートで変わります。為替手数料、解約控除、市場価格調整が適用される商品かを確認します。
  • 変額保険:運用実績により解約返戻金が変動します。市場リスク、解約返戻金の最低保証の有無、保険・運用関係費用を確認します。
  • 低解約返戻型:払込期間中に解約すると、返戻金が大きく抑えられる場合があります。

解約前のチェックリスト

  • 指定日時点の解約返戻金と契約者貸付残高を契約先に確認した
  • 解約で消える死亡保障・特約と、家族に残したい保障を比べた
  • 払済・減額後の保障額と保険料を解約と並べた
  • 税金、再加入時の告知、外貨・変額保険の市場リスクを確認した

公式情報で確認する

次にやること

  1. 契約先に、今日解約した場合の返戻金と将来時点の試算、貸付残高を確認する。数字の意味は責任準備金との違いで確認する。
  2. 解約・払済・減額・転換で残る保障と保険料を並べる。予定利率と返戻金の関係も確認する。
  3. 公的保障、税金、再加入時の告知を確かめ、解約を決める前に契約先へ疑問を伝える。

広告

解約返戻金を受け取る前に、失う保障も整理したいとき

解約返戻金の金額だけを見ると、死亡保障、医療特約、税金、再加入時の告知を見落とすことがあります。

ほけんのAIは、LINEで保険証券や家計の悩みを整理し、必要に応じてFPオンライン相談へ進める民間サービスです。解約、払済、減額、契約者貸付、契約転換の違いを相談前に整理したい人に向いています。

向いている人
解約返戻金を受け取るか迷っている人、保険料負担を下げたい人、払済・減額・契約者貸付も比較したい人。
注意したい人
すでに解約手続きだけを進めたい人、税務の個別判断だけを求める人、個人情報や家計情報の共有に抵抗がある人。

無料相談は公的な中立相談ではなく、提携FP・保険代理店等につながる可能性がある民間サービスです。AIだけで解約や契約判断をせず、解約返戻金、税金、告知、再加入条件、契約者貸付の利率は公式情報や保険会社にも確認してください。

解約前に保険証券を整理する

サイト監修者

ふかちゃん

MoneyLifehack(マネーライフハック)編集長

株式会社イノベイドの金融情報提供事業部で、MoneyLifehack(マネーライフハック)の編集長を務めています。証券会社で家計改善・資産運用の相談業務に携わった経験をもとに、2004年から金融・投資・節約などの情報を発信しています。

プロフィール・経歴 X:@mlifehack123

記事制作:株式会社イノベイド