予定利率は、預金金利や投資利回りとは違う

予定利率と解約返戻金の関係

予定利率は、保険会社が将来の運用収益を見込み、保険料を計算するときに使う前提の一つです。保険料全額にその利率で利息が付くわけではありません。契約を残すか考えるときは、最新の解約返戻金と失う保障を先に確認します。

判断材料 = 現在の解約返戻金 + 残る死亡保障 + 今後の保険料 + 税金・再加入条件

この記事で分かること

  • 予定利率が何に使われ、何を示さないか
  • 予定利率・責任準備金・返戻率・解約返戻金の違い
  • 古い終身保険を解約・転換する前の確認方法
  • 外貨建て・変額保険で追加確認するリスク
予定利率から解約返戻金へは、一直線ではない

予定利率は保険料計算の土台の一つです。契約者が受け取る金額は、商品設計や経過年数などを含めて決まります。

契約者が確認する金額 最新の解約返戻金、払込保険料累計、返戻率、税引前の差益
商品・契約ごとの条件 責任準備金、経過年数、解約控除、低解約返戻型、保険料払込期間
保険料計算の予定率 予定死亡率、予定利率、予定事業費率など

予定利率が分かっても、現在の解約返戻金を自分で正確に計算できるとは限りません。契約日を指定した最新試算を保険会社へ依頼してください。

予定利率とは

生命保険文化センターは、予定利率を、保険会社が資産運用による一定の収益をあらかじめ見込み、その分だけ保険料を割り引く際の利率と説明しています。保険料は予定利率だけでなく、予定死亡率や予定事業費率などの予定率をもとに計算されます。

そのため、予定利率は「支払った保険料全額をこの利率で運用した結果」ではありません。預金金利、投資信託の運用利回り、解約返戻金の返戻率とは分けて読みます。

予定利率と混同しやすい言葉
用語意味注意点
予定利率保険料計算に使う予定率の一つ。契約者の実質利回りではない。
責任準備金将来の保険金などの支払いに備えて保険会社が積み立てるもの。その全額が解約時に戻るとは限らない。
解約返戻金所定の日に契約を解約した場合に戻る金額。経過年数、商品設計、解約控除などで変わる。
返戻率一般に、払込保険料累計に対する返戻金の割合。失う保障、税金、物価上昇は反映されない。
積立利率積立部分に適用される利率などを示す商品上の用語。定義や見直し時期は商品ごとに確認する。

解約返戻金は予定利率だけでは決まらない

同じ予定利率でも、契約年齢、死亡保険金額、保険料払込期間、経過年数、低解約返戻型かどうかなどで返戻金の推移は変わります。特約を含む保険料の総額と、主契約の解約返戻金だけを比べると、返戻率を誤って読むこともあります。

保険会社へ試算を依頼するときの確認項目
確認項目確認する理由
指定日時点の解約返戻金金額は日付や払込状況で変わるため。
主契約・特約別の保険料解約返戻金がない特約分を分けて見るため。
払込満了前後の推移低解約返戻型など、時期で金額が大きく変わる契約があるため。
払済・減額後の保障額解約せず保険料負担を止めたり下げたりできる場合があるため。
契約者貸付の残高と利率貸付元利金が保険金・返戻金や契約の効力に影響する場合があるため。

古い高予定利率契約を残すかは、保障と家計で決める

過去の契約には、現在販売される同種商品より予定利率が高いものがあります。ただし、「予定利率が高いから必ず残す」「低いから解約する」とは判断できません。今後必要な死亡保障、保険料負担、使える預貯金、解約後の再加入条件を合わせて確認します。

保険料を止めたい

払済保険に変更できるか、変更後の死亡保障額と消滅する特約を確認します。

保険料を下げたい

減額や特約整理で負担を下げられるか、必要保障が残るか確認します。

まとまった資金が必要

解約返戻金と契約者貸付を比べ、貸付利息と返済見込みも確認します。

契約転換を提案された

新旧契約の予定利率、保障、保険料、返戻金、告知を並べます。

解約後に必要な死亡保障を確認する

家族の生活費を目的とした終身保険なら、遺族年金、死亡退職金、預貯金、団体信用生命保険を先に確認します。葬儀費用や相続対策を目的にしている場合も、解約するとその目的を果たせなくならないかを確認してください。

公的保障の範囲は金融庁 公的保険ポータルから確認できます。民間保険は、公的保障と手元資金だけでは不足する期間・金額を補うものとして考えます。

外貨建て・変額・利率変動型は追加の条件を確認する

商品タイプ別に追加確認すること
タイプ追加確認誤解しやすい点
外貨建て為替レート、為替手数料、市場価格調整、解約控除。外貨で増えていても、円換算では払込額を下回る場合がある。
変額保険特別勘定、運用実績、費用、解約返戻金の最低保証。死亡保険金の保証と解約返戻金の保証は同じとは限らない。
利率変動型利率の見直し時期、最低保証、増加保険金などの扱い。契約時の利率が全期間固定されるとは限らない。

解約返戻金の税金

保険料の負担者と解約返戻金の受取人が同じ場合、受取額が払込保険料を上回ると、一時所得として所得税の対象になることがあります。両者が異なる場合は、贈与税が関係する可能性があります。

一時払保険、契約者変更、法人契約などは個別確認が必要です。基本的な課税関係は国税庁「生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」を確認し、具体的な申告は税務署や税理士へ相談してください。

予定利率の高低だけで決めないチェックリスト

  • 予定利率を預金金利・投資利回りと混同していない
  • 最新の解約返戻金を日付指定で保険会社へ確認した
  • 主契約と特約の保険料、失う保障を分けて確認した
  • 払済、減額、特約整理、契約者貸付を比較した
  • 遺族年金、預貯金、団信など解約後の保障を確認した
  • 外貨・変額・利率変動型の追加リスクを確認した
  • 解約返戻金の税金と再加入時の告知を確認した

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