これから保険を比べる人、配当付きの古い契約を持っている人に向けて、配当の仕組みと設計書の読み方を説明します。配当通知が届いていて受取方法や税金を調べたい人は、配当金の受け取りと契約内容の確認をご覧ください。
既に積み立てた配当金を使いたい場合は、積立配当金の引き出し条件と確認手順を確認してください。引き出せない特約や、引き出した分を戻せない点を整理できます。
配当金はどこから生まれる?
生命保険の保険料は、予定死亡率・予定利率・予定事業費率などをもとに計算されます。実際の死亡者数、運用成果、事業費が予定と異なり剰余が生じたとき、有配当契約には契約条件に応じて配当金が分配されることがあります。配当は保険料の事後精算という性格を持ち、株式の配当や預金利息と同じものではありません。詳しい仕組みは生命保険文化センターの解説で確認できます。
有配当でも毎回必ず支払われるわけではありません。分配の有無・額・時期は契約方式と保険会社の実績で変わります。古い契約の配当額も、現在の商品説明だけでは判断できません。
有配当・無配当と配当方式の違い
| 種類 | 配当の考え方 | 見積書で確かめる点 |
|---|---|---|
| 3利源配当 | 死亡率・運用・事業費について、予定と実績の差を反映します。 | 分配の開始時期と間隔、配当を含まない保証額 |
| 利差配当 | 主に予定利率と実際の運用成果との差を一定期間で通算します。 | 何年ごとに分配されるか、配当がない場合の受取額 |
| 無配当 | 契約者への配当の分配はありません。 | 同じ保障・保険期間での保険料と解約返戻金 |
一般には無配当の保険料が低めになる傾向がありますが、商品設計や保障条件が違えば単純な比較はできません。「有配当なら得」「無配当なら損」とは決めず、保障額・保障期間・保険料払込期間をそろえて比べます。分配の時期も商品によって違うため、毎年配当が出るものとして家計の収入に入れないでください。
設計書では「保証」と「配当込みの試算」を分ける
保険を比較するとき、設計書に将来の受取額や解約返戻金が複数示されることがあります。配当を含む試算額を確定した受取額として比較すると、必要な資金を過大に見積もるおそれがあります。
- 保障と保険料保険金額、期間、払込総額を同じ条件で比べる
- 契約上の保証額配当を含まない受取額・解約返戻金を確認する
- 配当込みの試算仮定した配当率と、配当がない場合との差を見る
図は読む順番の例です。契約によって保証の範囲と表示項目は異なります。
配当の試算値が載っていない商品もあります。載っている場合は、どの実績や仮定を使い、将来の配当がゼロなら受取額がどう変わるかを確認します。見積書に保証額が見つからないときは、保険会社に保証部分と非保証部分を分けて示してもらいましょう。
配当より先に比べるもの
死亡保障を選ぶなら、まず公的保障と貯蓄を差し引いて家族に足りない額を確かめ、同じ保障額・期間で保険料を比べます。配当金はその後に見る要素です。貯蓄型の保険なら、配当の有無とは別に途中解約時の返戻金と払込総額も確認してください。契約初期の返戻金が低く設計されている商品もあります。
すでに配当付きの契約がある場合、現在の商品と保険料だけを比べて解約を決めないでください。古い契約の予定利率、特約、解約時に失う保障、新しく入る際の告知条件が違うことがあります。配当がない年が続いても、それだけで契約が不利とはいえません。
配当金の税金は受け取る場面で異なる
国税庁の説明では、契約期間中に受ける配当は支払保険料から差し引き、保険金と同時に受ける配当は保険金に含めて扱います。死亡保険金なら相続税・贈与税が関係する場合もあるため、配当金だけを切り離して一律に「非課税」「確定申告が必要」と決められません。受取方法や生命保険料控除の確認は配当金の受け取りと税金で、個別の申告要否は税務署・税理士に確認してください。
次に確認すること
- 設計書か保険証券で、有配当・無配当の別と配当方式を確かめる。
- 保険会社に、配当を含めない保証額と配当を仮定した試算額を分けて示してもらう。
- 配当通知が届いている場合は、受取方法・通知の数字・税金を契約別に確認する。