住宅ローンを組んだ後の見直し

住宅購入後の生命保険見直し

団信に加入したからといって、死亡保険を同額だけ減らせるとは限りません。誰のどのローンが返済されるかを確かめ、家族に残る生活費と分けて考えましょう。

団信で減る支出と、家族に残る支出

団体信用生命保険(団信)は、被保険者が死亡するなど契約所定の事由に該当したとき、対象の住宅ローン債務に保険金を充てる仕組みです。家族の生活費が現金で支払われる保障ではありません。死亡時の条件に加え、身体障害や疾病についての条件は契約によって異なります。

家族に必要な死亡保障は、住宅ローンの返済が減った後も続く生活費・教育費などから、遺族年金、勤務先の給付、貯蓄、配偶者の収入を差し引いて考えます。固定資産税、管理費、修繕費は住まいの維持費として家計に計上し、毎年の支出をすべて保険で賄う前提にはしません。

死亡保障を見直す順番

夫婦で借りている場合は、どちらに万一があったかを入れ替えて確認します。

  1. 借入契約債務者とローン残高を確認
  2. 団信の被保険者誰に何が起きたら対象か確認
  3. 残る債務相手の返済が続くか確認
  4. 家族の家計生活費と公的給付を見積もる
  5. 民間の保障不足する期間と金額を検討

この順番は確認の目安です。実際の弁済範囲は金融機関と団信の約款で確かめてください。

借り方によって、団信の対象は違う

同じ「夫婦で住宅ローン」でも、ペアローン、連帯債務、収入合算では契約構造が異なります。下表は一般的な確認例で、連生型などの特約がある契約では結果が変わります。

借入形態ごとに確認したい団信の範囲
借入形態一般的な団信の確認点残された人が確かめること
単独ローン借入人が被保険者か、対象のローン残高はいくらか。生活費や教育費、住まいの維持費は別に残る。
ペアローン通常は二つのローンそれぞれに団信が付く。連生型の商品もある。一方の死亡時、自分のローンまで弁済される契約か。
連帯債務誰を被保険者にしたか。二人を対象にする連生型か。被保険者でない人に万一があった場合の返済。
収入合算連帯保証型か連帯債務型か。合算者も被保険者か。合算者の収入が失われても返済が続く場合の家計。

ペアローンの一方の債務だけが弁済される例と、二人の債務が弁済される連生型の例があります。連帯債務も加入する団信の形で変わるため、「夫婦で借りた」という記憶だけで死亡保障を減らさないでください。

団信・公的保障・民間保険の役割を分ける

住宅購入後の支出と確認先
備える支出先に確認するもの不足するときの考え方
住宅ローン返済団信の被保険者、対象となる債務と支払条件。片方のローンが残る場合などは、返済原資を確認する。
家族の生活・教育費遺族年金の受給要件、勤務先の給付、貯蓄と残る収入。不足する期間・金額に合わせて死亡保障を検討する。
医療費公的医療保険の自己負担と高額療養費制度。貯蓄で賄えない自己負担などを考える。団信のローン弁済とは用途が違う。
働けない間の家計会社員等は傷病手当金や勤務先制度。団信の疾病保障の条件。返済が続く期間と収入減を見積もる。就業不能保障は必要に応じて検討する。
住まいの維持費固定資産税、管理費、修繕積立金、火災保険料など。原則として毎年の家計・積立で準備し、死亡後の不足分だけ保障額に反映する。

死亡保障を減らす前に、二つの家計を試算する

夫婦それぞれに万一があった場合を分け、残るローンと収入を試算します。単独ローンで団信により債務が弁済される場合でも、子どもの生活・教育費は続きます。一方、共働きで家族の収入・貯蓄が十分なら、大きな死亡保障を持ち続ける必要がない場合もあります。

既存の死亡保険を減らすなら、保険金額だけでなく保険期間も確認してください。減額・特約解約・払済・解約では、残る保障や解約返戻金、再加入時の告知条件が異なります。新しい保障が必要なら、成立前に現在の契約を解約しないようにしましょう。

住宅購入後に見直しやすい契約

  • 住宅費を含めて大きく設定していた死亡保険
  • 団信の疾病保障があるため不要だと思っている医療・三大疾病特約。ローン弁済と治療費・生活費の給付は用途が異なる
  • 保険料が住宅ローン返済や教育費を圧迫している契約
  • 収入保障保険の保障額や保険期間
  • 夫婦それぞれの死亡保障と受取人
  • 火災保険・地震保険で備える住宅損害と、団信・生命保険で備える人的リスクを混同している契約

注意点

団信だけで家計全体を守れるとは限らない

団信は住宅ローン残高への備えが中心です。残された家族の生活費、教育費、固定資産税、マンション管理費、修繕費、車や教育ローンなどは別に確認します。

病気で働けない場合は返済が続くことがある

団信の疾病保障は、対象疾病、所定の状態が続く期間、保険金の支払条件が契約ごとに異なります。疾病付きでも、病気になれば必ずローンがなくなるわけではありません。医療保険は治療時の費用、就業不能保険は収入減への備えなど、団信とは給付の使い道が違います。加入している健康保険の高額療養費制度や、会社員等の傷病手当金・勤務先制度を先に確認しましょう。

税金と受取人も確認する

死亡保険金は、契約者、被保険者、受取人、保険料負担者の関係によって課税関係が変わる場合があります。住宅購入後に受取人や保障額を変更する場合は、保険会社と税務情報を確認しましょう。

見直し前チェックリスト

  • ローン契約書で借入形態、債務者、各人の残高を確認した
  • 団信の加入証明と約款で、被保険者ごとの弁済範囲を確認した
  • 夫婦それぞれに万一があった場合の残る返済額を調べた
  • 遺族年金の受給要件と勤務先の給付を確認した
  • 残る生活・教育費と住まいの維持費を見積もった
  • 病気で働けない場合の団信の条件と公的給付を確認した
  • 減額・払済・解約後に残る保障と再加入条件を確認した

公式情報で確認したいページ

制度や商品の条件は変わるため、実際の加入先・金融機関の最新資料も確認してください(確認日:2026年9月29日)。

次にやること

  1. ローン契約書、返済予定表、団信の加入証明・約款をそろえ、金融機関に「誰が亡くなるとどのローンが弁済されるか」を確認する。
  2. 残る債務と家族の生活費を二人それぞれの場合で試算し、生活設計法で不足額を整理する。
  3. 現在の保障額・保険期間と比べる。変更する場合は保険会社に減額後の保障、返戻金、再加入条件を確認してから手続きする。

保障額の決め方は生命保険金額の見直し、保険料の負担が重いときは保険料を見直す方法、受取人と税金は死亡保険金と税金も参考にしてください。

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住宅ローンと保険の重複を整理したいとき

住宅購入後は、団信、死亡保障、医療保障、就業不能への備え、固定資産税や修繕費を分けて確認すると判断しやすくなります。

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住宅ローンと保険を整理する

サイト監修者

ふかちゃん

MoneyLifehack(マネーライフハック)編集長

株式会社イノベイドの金融情報提供事業部で、MoneyLifehack(マネーライフハック)の編集長を務めています。証券会社で家計改善・資産運用の相談業務に携わった経験をもとに、2004年から金融・投資・節約などの情報を発信しています。

プロフィール・経歴 X:@mlifehack123

記事制作:株式会社イノベイド