保険料の構成を示す概念図です。各部分の面積や高さは金額の比率を示しません。
予定死亡率・予定利率・予定事業費率は保険料を計算する前提であり、上の内訳にさらに足す3つの料金ではありません。
純保険料は保険金・給付金に備える部分
純保険料は、保険金・給付金の支払いに備える部分です。死亡保障と満期保障を組み合わせた生命保険では、死亡時の支払いに備える部分と、将来の満期金などに備える部分という分け方があります。医療保険などでは、入院・手術等の給付リスクに備える部分も含めて考えます。
一方、契約管理や販売、事務などの費用にあたる部分は付加保険料です。この分類は保険料を理解するためのもので、個々の契約で金額が細かく開示されるとは限りません。国税庁税務大学校の研究資料も、商品ごとの数理上の区分を契約者が知ることは一般に難しいと説明しています。
| 用語 | 何に備えるか | 混同しないこと |
|---|---|---|
| 死亡保険料 | 死亡保険金の支払いに備える部分。 | 死亡保障の説明で使う区分です。医療保険などの給付部分をすべて「死亡保険料」とは呼びません。 |
| 貯蓄保険料 | 将来の保険金などの支払いに備えて積み立てられる部分を示す理論上の区分。 | 累計がそのまま解約返戻金になるわけではありません。 |
付加保険料は純保険料の内訳ではなく、支払保険料を構成するもう一方の区分です。事業費にも契約を引き受け、維持する役割があり、「不要な費用」とは一概にいえません。
生命保険文化センターによると、解約返戻金は保険種類・契約年齢・経過年数などで変わり、短期間の解約ではない場合もあります。「貯蓄保険料がある」という説明から、今受け取れる額を推定しないでください。
保険料は何をもとに計算される?
生命保険協会は、保険料の計算に予定死亡率・予定利率・予定事業費率という3つの予定率を使うと説明しています。これらは保険料の「使い道」ではなく、契約時に見込む死亡率・運用・事業費の前提です。商品ごとの保障内容、保険期間、保険金額なども支払保険料に関わります。
保障額が大きいほど、また長期間保障するほど、保険料は高くなりやすくなります。ただし契約時期や商品、保障の種類でも条件は異なるため、同じ保障目的・期間で見積りを比べてください。
手元の資料で確認できる数字は?
| 資料・確認先 | 分かること | 内訳との違い |
|---|---|---|
| 保険証券・契約内容のお知らせ | 支払保険料、保険金額、期間、特約、受取人など。 | 「純保険料はいくらか」が記載されているとは限りません。 |
| 設計書・しおり・約款 | 将来の保険料、返戻金の例示、支払条件と対象外。 | 例示額は現在の確定した解約返戻金ではありません。 |
| 保険会社への照会 | 現在の解約返戻金、減額・払済の可否、変更後の保障。 | 概念上の保険料内訳から算出せず、契約ごとの金額を確認します。 |
保険料を下げるときの注意点
保険料を下げたいときは、内訳を推測して費用部分だけを削ろうとするより、保障額・特約・保険期間を変えた場合の見積りを保険会社に求めます。新しい契約へ乗り換える場合は、保険料の計算に使う予定率や告知条件も変わり得ます。
死亡保障なら遺族年金と家族の収入、医療保障なら高額療養費制度と貯蓄、働けない期間なら勤務先制度や傷病手当金などを先に確認します。金融庁の公的保険ポータルから制度の入口を確認したうえで、民間保険で補う不足額を考えます。減額や特約整理、払済が使えるかは商品によって異なるため、変更前後の保障と返戻金を契約先に確認してください。
「原価」や「積立額」と読み替えない
純保険料は理論上の区分であり、契約者の預金残高ではありません。解約を考えるなら、現在の解約返戻金、消える保障、再加入の条件を確認してください。
保険会社へ聞くこと
- 現在の保障額・特約・保険期間のままで、今後の保険料はいくらか
- 減額や特約整理をした場合、保険料と残る保障はどう変わるか
- 解約・払済を選ぶ場合、今日の返戻金と失う保障はいくらか
公式情報で確認したいページ
- 生命保険文化センター 用語辞典
- 生命保険協会 保険料の仕組み
- 生命保険文化センター 解約するときの留意点
- 金融庁 公的保険ポータル
- 金融庁 保険を契約している方へ
- 厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
- 全国健康保険協会 病気やケガで会社を休んだとき
- 生命保険協会 金融・保険に関する学習情報サイト
- 生命保険協会 よくあるご質問Q&A