有配当契約の確認ポイント

生命保険の配当金は引き出せる?受取方法・条件と税金

有配当でも将来の配当は確約されません。配当通知が届いたら、受取方法と積立残高を確認しましょう。積立配当金を引き出すときの契約条件、貸付・解約との違い、税金まで順に整理します。

配当通知の書類と通帳、手続画面を机上で照合するイラスト
通知書の残高と契約条件を確認してから、必要な金額の引き出しを検討します。

加入中の個人契約の配当通知を読む人に向けた記事です。契約者配当は株式の配当金とは別の仕組みです。基本的な用語は配当金のしくみでも確認できます。

配当金が決まるまでの流れ

有配当契約でも、剰余や配当が必ず生じるわけではありません。配当の基準・時期・方法は契約ごとに確認します。

  1. 予定率で保険料を計算予定死亡率・予定利率・予定事業費率などを用いる
  2. 決算で実績を確認死亡率、運用収益、事業費などの実績を見る
  3. 剰余の有無を判定予定と実績の差から剰余が生じる場合がある
  4. 契約者配当を割当て契約の種類・経過年数などに応じて扱う
  5. 契約所定の方法で受取現金、積立、買増、保険料相殺など

配当金は保険金や解約返戻金とは別の仕組みです。「配当予想額」を将来の確定収入として家計に組み込まないようにします。

配当金とは、保険会社の予定と実績の差から生じる契約者配当

配当金は、保険料計算時の予定と実際の死亡率・運用実績・事業費などの差から剰余が生じた場合に、契約条件に応じて扱われるお金です。有配当契約でも必ず受け取れるわけではありません。まず保険証券と配当通知で、自分の契約がどの配当タイプかを確認します。

有配当・無配当・利差配当型の違い

配当タイプごとの確認ポイント
タイプ 特徴 確認したいこと
有配当保険 予定と実績の差によって剰余が生じた場合、契約者配当の対象になることがあります。 配当の有無、配当時期、受け取り方法、配当が出ない場合の扱いを約款で確認します。
無配当保険 配当を行わない前提で保険料が設計されている保険です。 配当がないことだけで不利とは限りません。保険料、保障内容、解約返戻金の有無を合わせて見ます。
利差配当型保険 主に運用実績と予定利率との差をもとに、一定期間ごとに配当を行うタイプです。 何年ごとに配当判定されるか、予定利率、積立利率、配当の受け取り方法を確認します。

配当の有無だけで、保険の良し悪しは判断できません。

配当金がある契約でも、保険料が高い、保障が現在の生活に合っていない、解約返戻金が想定より少ない、といったことはあります。反対に、無配当でも保険料や保障内容が目的に合う契約もあります。公的保障と手元資金で補える範囲を確認したうえで、民間保険の役割を考えましょう。

配当金の受け取り方法

配当金の扱いは、契約時に選んだ方法や保険会社の取扱いによって変わります。方法を選べない契約もあり、途中で変更できるかも契約ごとに異なります。現在の方式を配当通知と保険会社で確認してください。

主な受け取り方法と注意点
方法 内容 注意点
現金受取 配当金を現金で受け取る方法です。家計の支出や貯蓄に回しやすい点があります。 振込時期、少額の場合の取扱いを確認します。
積立配当 配当金を保険会社に積み立てる方法です。契約によっては途中で引き出せる場合があります。 積立利率、引き出し条件、契約消滅時の扱いを確認します。将来の利率は固定とは限りません。
保険金買増 配当金を一時払保険料のように使い、保障額を増やす方法です。 買い増し後の保障額、解約時の扱い、不要な保障増加にならないかを確認します。
保険料相殺 配当金を保険料に充当し、保険料負担を一部軽くする方法です。 配当が少ない年や配当がない年は相殺できないため、保険料負担が変動する可能性があります。

積立配当金を引き出す前に確認すること

配当金の受取方法が「積立」なら、一般的に積立配当金の全部または一部を引き出せます。ただし、通知書に残高が載っていても、すべての契約で自由に引き出せるとは限りません。保険料の払込総額や解約返戻金とも別の金額なので、現在の引出可能額を契約先で確かめます。

中途引き出しができない契約と、戻せない点に注意

生命保険文化センターの解説では、個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金保険の積立配当金は、年金原資に繰り入れるため引き出せないと説明しています。「個人年金保険だから」と一律に判断せず、証券の付加特約と約款を確認してください。住友生命の案内では、保障付積立保険にも中途引き出しの制限があります。商品固有の条件は契約先へ確認します。

引き出した配当金を、同じ積立配当へ戻すことはできません。生命保険文化センター、日本生命、住友生命の案内で確認できる注意点です。一時的に使って後で戻すつもりなら、手続き前にこの点を確かめ、必要な金額だけにするか検討しましょう。

必要な分だけ引き出す仮の例

一部引き出しが可能な契約で、引出可能額が12万円、当面必要な金額が7万円とします。利息の増減や手数料等はないものとした説明用の例です。

  1. 引出可能額12万円を確認
  2. 今回使う金額7万円を引き出す
  3. 残す金額12万円 − 7万円 = 5万円

引き出した7万円を後から戻すことはできません。全部を引き出す必要があるか、残高と使い道を分けて考えます。実際の限度額・取扱単位・残高は契約先で確認してください。

契約者貸付・解約とは手続きが違う

保険からお金を用意する三つの方法の違い
手続き動かすお金先に確認する影響
積立配当金の引き出し既に積み立てられた配当金を受け取る。配当の積立残高が減り、引き出した分は戻せない。契約全体の解約や借入とは異なるので、契約上の保障・将来受取額への影響を確認する。
契約者貸付解約返戻金の一定範囲で借りる。所定の利息がつき、返済が必要。未返済なら保険金等から元利金が差し引かれる。元利金が解約返戻金を超え、通知された期限までに所定額を払い込まない場合は失効に注意する。
契約全体の解約契約を終了し、解約返戻金があれば受け取る。その契約の保障が終了する。返戻金の有無・金額と失う保障を先に確認する。

積立配当金の引き出しと、返済できる借入は同じではありません。比較したいときは、契約者貸付の利息と返済、解約前に確認することも読んでから判断してください。

引き出し前後の確認手順

  1. 契約と最新の金額を確認する
    受取方法、付加特約、積立配当金の引出可能額、一部引き出しの可否を確認します。日本生命は、過去の手続履歴に表示する残高に未繰入の日割利息が含まれないと案内しています。通知書や古い履歴だけで決めず、契約先の正式な手続画面・窓口で最新額を聞きましょう。
  2. 手続き方法と入金先を確かめる
    保険証券の番号を手元に置き、契約先の公式サイトからマイページ・電話・書類等の方法を確認します。必要書類、登録口座、取扱単位・限度額、手数料の有無、受付時間、着金予定日を確認してから金額を決めます。Webでの手続き完了は、即時入金を意味しません。
  3. 入金と残高を照合して記録する
    受付の控え・取引通知を保存し、口座への入金と手続後の積立残高を確認します。税金や控除証明書の数字が分からない場合は、下の税務の説明と保険会社の書類を照合してください。

配当金を確認するときに見る書類

  1. 保険証券
    商品名、契約日、保険期間、主契約、特約、契約者、受取人、保険料を確認します。
  2. 約款・契約概要
    配当の有無、受け取り方法、変更可否、積立配当の扱い、配当がない場合の説明を確認します。
  3. 配当通知・契約内容のお知らせ
    直近の配当額、積立配当金の残高、保険金買増額、保険料相殺額などを確認します。
  4. 保険会社のマイページや相談窓口
    書類だけで分からない場合は、保険会社に現在の配当方式と変更可否を確認します。

税金と生命保険料控除は別々に確認する

個人契約について、国税庁「保険と税」は、契約期間中に受け取る配当金は支払保険料から控除し、配当金そのものには課税しないと説明しています。一方、保険金と一緒に受け取る配当金は保険金の額に含めて扱います。死亡・満期・解約のどの受取か、保険料を実際に負担した人と受取人が誰かで税目を確認してください。

生命保険料控除でも、その年に受けた配当金等を支払保険料から差し引く扱いがあります。控除額を自分で推測せず、保険会社の控除証明書と配当通知を照合しましょう。年金受取や法人契約など、取扱いが異なる場合は税務署または税理士へ確認してください。

配当金があるから契約を続ける、配当金がないから解約する、という決め方は避けましょう。

配当金は見直し材料の一つです。現在の保障が必要か、保険料が家計に合うか、公的保障と預貯金で補えるか、解約返戻金や税金にどのような影響があるかを分けて確認します。

配当通知の数字をどう読むか

通知書の項目名は契約・保険会社で異なります。次のような欄があれば、単年度の配当額と、これまで積み立てた残高を混同しないでください。

配当通知に見られる項目の例
項目の例 読み取れること 契約先に聞くこと
当期の配当額 その回に割り当てられた配当金の額。 実際の支払日と、現在選んでいる受取方法。
積立配当金残高 過去の配当を積み立てた残高と利息の状況。 引き出し可能額、利率、死亡・満期・解約時の扱い。
買増保険金額 配当金で買い増した保障部分の金額。 主契約の保険金額と合算した額、解約時の扱い。
保険料への充当額 配当金を今回の保険料に充てた額。 差引後の払込額と、配当がない年の保険料。

配当金チェックリスト

  • 自分の契約が有配当、無配当、利差配当型のどれかを確認した
  • 現在の受け取り方法と変更できるかを確認した
  • 引出可能額、付加特約の制限、再積立できない点、着金予定日を確認した
  • 通知書の当期配当額と積立残高を区別した
  • 保険料控除証明書と配当通知の金額を照合した
  • 満期・解約・死亡時の受取額に配当金が含まれるか確認した

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配当通知や保険証券の意味を整理したいとき

配当金の有無や受け取り方法は、保険証券、約款、配当通知を見ないと判断しにくいことがあります。

ほけんのAIは、LINEで保険証券や家計の悩みを整理し、必要に応じてFPオンライン相談へ進める民間サービスです。有配当・無配当、積立配当、保険金買増、保険料相殺など、加入中の契約で確認したい点を相談前に整理したい人に向いています。

向いている人
配当通知の見方が分からない人、積立配当や保険料相殺の扱いを確認したい人、解約返戻金や税金とあわせて見直したい人。
注意したい人
配当金の税務判断だけを求める人、特定商品だけを比較したい人、個人情報や家計情報の共有に抵抗がある人。

無料相談は公的な中立相談ではなく、提携FP・保険代理店等につながる可能性がある民間サービスです。配当金、解約返戻金、税金、契約条件、個人情報の取扱いは公式情報や保険会社にも確認してください。

配当通知と保険証券を整理する

公式情報で確認したいこと

生命保険文化センター:配当金の引出し・契約者貸付
一般的な引出条件、税制適格特約の例外、貸付の利息と返済を確認できます。

日本生命:積立配当金のお引出し
日本生命の正式な手続方法と、利用時間・着金日の案内です。残高表示の違いは引出しに関する留意点で確認できます。

住友生命:積立配当金
住友生命の引出制限と再預け入れできない条件を確認できます。商品・会社ごとの条件は、ご自身の契約先で照合してください。

次にやること

配当金について分からない点がある場合は、保険証券、約款、配当通知を手元に置き、保険会社へ「配当タイプ」「現在の受け取り方法」「変更可否」「税金に関係する書類の有無」を確認しましょう。配当金を理由に見直す場合は、解約返戻金や保障の必要性も一緒に確認します。

サイト監修者

ふかちゃん

MoneyLifehack(マネーライフハック)編集長

株式会社イノベイドの金融情報提供事業部で、MoneyLifehack(マネーライフハック)の編集長を務めています。証券会社で家計改善・資産運用の相談業務に携わった経験をもとに、2004年から金融・投資・節約などの情報を発信しています。

プロフィール・経歴 X:@mlifehack123

記事制作:株式会社イノベイド