先に結論
- 退職前の給与から所得税が引かれ、年末調整を受けていなければ、確定申告で還付される可能性があります。
- その年に課税される所得も源泉徴収税額もなければ、生命保険料控除による所得税の還付は通常ありません。
- 所得税の還付額と、翌年度の住民税への影響は別に確認します。
還付の可能性を4つの状況から確認する
「現在無職か」だけでは決まりません。対象年の給与・源泉徴収・年末調整・ほかの所得を源泉徴収票などで確認します。
退職前の源泉徴収あり
年末調整を受けていない
- 源泉徴収票の「源泉徴収税額」を確認
- 生命保険料控除などを入れて還付申告を検討
年内に再就職した
新しい勤務先で年末調整済み
- 前職分が年末調整に含まれたか確認
- 控除証明書の未提出分がないか確認
所得・源泉徴収なし
所得税の還付は通常ない
- 還付は納め過ぎた所得税を戻す手続き
- 保険料を続ける必要性は税金と分けて判断
年金・副業などの所得あり
申告義務と控除を一緒に確認
- 給与以外の所得と源泉徴収を整理
- 国税庁・税務署へ申告要否を確認
源泉徴収税額があるだけで必ず還付されるわけではありません。所得・控除・税額を申告書で再計算した結果で決まります。
生命保険料控除は「控除額が戻る制度」ではない
生命保険料控除は、一定の生命保険料を所得から差し引いて税額を計算する「所得控除」です。控除額と還付額は同じではなく、適用される税率やほかの所得控除、すでに納めた税額などによって結果が変わります。
その年に課税される所得がなく、源泉徴収された所得税もない場合は、生命保険料控除を入れても所得税の還付は通常発生しません。一方、年の途中まで給与を受け取り、所得税が源泉徴収されていた場合は、年末調整または確定申告で精算できる可能性があります。
退職した年は確定申告で確認する価値があります
年の途中で退職した場合、退職前の給与から所得税が源泉徴収されていることがあります。退職後に年末調整を受けていない場合、生命保険料控除、社会保険料控除、医療費控除などを確定申告で反映すると、税金が還付される可能性があります。
確認するものは、退職した勤務先の源泉徴収票、保険会社から届く生命保険料控除証明書、国民年金や国民健康保険の支払額、医療費の資料などです。国税庁の生命保険料控除では、控除額や申告に必要な証明書について案内されています。
| 状況 | 還付の可能性 | 確認すること |
|---|---|---|
| 年の途中まで給与収入があり、源泉徴収されていた | 確定申告で還付される可能性があります。 | 源泉徴収票、控除証明書、退職後に支払った社会保険料を確認します。 |
| その年に所得がなく、源泉徴収もない | 所得税の還付は通常発生しません。 | 住民税や家族の扶養、保険料を誰が払っているかを確認します。 |
| 配偶者や親族が保険料を払っている | 実際に保険料を負担した人が、受取人などの要件を満たせば、その人の控除になる場合があります。 | 引き落とし口座だけでなく、実際の負担者と保険金等の受取人を確認します。 |
| 再就職して年末調整を受ける | 勤務先の年末調整で反映できる場合があります。 | 控除証明書を勤務先に提出し、未提出分があれば確定申告を確認します。 |
所得税の還付と翌年度の住民税は分けて確認する
所得税はその年の所得に対して計算され、年末調整や確定申告で精算します。個人住民税は原則として前年の所得をもとに翌年度の税額が決まるため、退職後に届く住民税の納付書が高く感じられることがあります。
生命保険料控除は個人住民税にもありますが、所得税とは計算式と上限額が異なります。所得税の確定申告をした場合は、その申告内容が自治体へ連携されるのが通常です。所得税が課税されず住民税だけが課税される場合など、住民税申告が必要か不明なときは、住所地の市区町村に確認してください。東京都主税局の個人住民税案内でも、生命保険料控除の計算方法を確認できます。
控除対象になる契約か確認する
生命保険料控除は、すべての保険料が対象になるわけではありません。国税庁は、生命保険契約、介護医療保険契約、個人年金保険契約などの対象契約を案内しており、新契約と旧契約で計算方法も異なります。保険期間が短い貯蓄保険など、対象外となる契約もあります。
保険会社から届く控除証明書に「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」「新」「旧」などの区分が記載されます。数字だけを見て判断せず、証明書の区分に沿って入力しましょう。契約者名だけで控除を受ける人を決めず、実際の保険料負担者と受取人要件も確認します。詳しくは生命保険料控除とはでも整理しています。
控除目的だけで保険料を払い続けない
退職後や無職の期間は、収入が不安定になりやすいため、保険料の負担も確認が必要です。生命保険料控除は役立つ制度ですが、控除のために不要な保障や高い保険料を続けると、生活費や緊急資金を圧迫することがあります。
まず公的医療保険、遺族年金、傷病手当金、障害年金などの公的保障を確認し、民間保険で補う必要がある部分を整理します。金融庁の公的保険ポータルも参考になります。
確認チェックリスト
- 退職した年の源泉徴収票を手元に用意した
- 生命保険料控除証明書を確認した
- その年に所得税が源泉徴収されていたか確認した
- 保険料を実際に負担している人を確認した
- 新契約・旧契約、一般・介護医療・個人年金の区分を確認した
- 国民年金、国民健康保険、医療費など他の控除も確認した
- 保険料を続けても生活費や緊急資金を圧迫しないか確認した
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状況別の考え方
- 年の途中で退職した人:源泉徴収票と控除証明書を使って、確定申告で還付があるか確認します。
- その年に収入がない人:所得税の還付より、保険料を続ける必要性と家計負担を優先して見直します。
- 家族が保険料を払っている人:誰が控除を受けられるかは、実際の保険料負担者を確認します。
- 控除目的で保険を追加したい人:控除額と節税額は同じではありません。保障の必要性、公的保障、NISAや預金との役割を分けて考えます。
次にやること
まず、源泉徴収票と生命保険料控除証明書をそろえ、確定申告が必要か確認します。保険料が重い場合は、解約だけでなく、減額、払済、特約整理も含めて保険会社に確認しましょう。
- 生命保険料控除とは
- 公的保険と民間保険
- 生命保険料削減のポイント
- 生命保険を解約する前の確認点
- 国税庁 生命保険料控除
- 国税庁 生命保険料控除の対象となる保険契約等
- 国税庁 中途退職で年末調整を受けていないとき
- e-Tax 生命保険料控除の入力
関連するQ&A
生命保険の制度、税制、申告方法、商品内容は変わることがあります。申告や控除の判断は、国税庁、税務署、勤務先、自治体、税理士、保険会社などにも確認してください。